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旅の動機

そもそもなんでこんな旅に出るのか??ということである。

―「なんで世界を自転車で旅しようと思ったの‥??」―

 高校の卒業アルバムに書き、10年くらい前にぼんやりと宣言し始めたころから、 今でもずっと聞かれ続けていること。やはり世界一周は旅人の最大のロマンだし、 人力で世界を駆け回る自由さは、きっと自転車乗りの憧れの舞台なんだろうと思う。 ワクワクするから、ロマンがあるから、、確かにそれも一理あるなあと。
 ただ複合的な要因はイロイロある中、自分の一番の動機は “世界の広さを確かめに行こう!”ということだった。

―「やっぱ海外は広いよ!日本は狭くてさ~」―

 小さい頃からずっと疑問だったフレーズ。聞く度に思う。「 日本は本当に狭いのか??世界はそんなに広いのか??」
紙っぺらの地図上ではそうかもしれない。なんとなくの想像だってできないことはない。 だって地図でも一目瞭然、面積だってものすごい差はあるもんね。 でも、どうしても実感が湧かなかった。 そんな厄介な性格だったし、ランニングで遠くへ・知らない土地まで行くことが好きだったし、 小さな冒険が楽しかったから、「いつかどんくらい広いのか旅してきてやろうじゃないか」 と密かに燃えていた。 (これには当時流行っていたゲームやテレビの影響も多々あると思われる。 いや、むしろス-パーファミコンの風来のシレンというゲームがほとんどかもしれないw)

―「自転車」

 高校時代、漠然と日本・世界への旅の思いは持ちながら、バックパッカーでも良かったけど‥ どうしても一般的な旅をしたくないという変わり者思考と ”距離とか広さの体感、地図だけでは感じ取れないことを最大限に引き出せそうな旅を”と 考えていたので、できる限り人力に拘りたかった。 しかし、実際に高校卒業前に可能な限り走ってみたとき、ランニングで100キロでさえ 走りきることはきつかった。それと同時にケガの多いカラダであるということを実感させられた。 そこでふと「自転車ならもう少し可能性は広がるのではないだろうか」と思い浮かんだ。 さらには荷物を詰める利便性などからも、自転車は現実的かもしれないという気もしてきた。 日本ならランニングもありだが、比較するなら世界もなるべく同じ条件にしたいし‥。 (ようするに、とりわけ自転車が好きだったわけではないのだよ‥。)

―後悔しない生き方を―

 まずは実際挑戦するにしても、達成者がいるのであれば話を聞いてみたい!と思い、 インターネットで調べ(ネットってすげー便利だよ、すげええww) 【世界一周・自転車】で最初に検索でヒットした待井剛さんという方に (大学の授業の一環ということで)直接お話しを聞かせて頂くことにした。確かバスで長野・諏訪まで日帰りで行ったんだと記憶してる。
 そのお話の中で日本や世界旅の話から、その準備段階でのエピソードなんかも聞き、 中でもイチバン残っているのは、「あーすりゃもっと良かったかな、という思いは もちろんあるけど‥今ここまで進んで来た道に全く後悔はしていない。もし人生やり 直せるって言われたら、また同じことをしたいなって思う。日本一周して佐川でお金 貯めて世界に出て、途中で怖い思いもたくさんしたけど、旅で色んなヒトたちに出会 って‥。まあ、大学に行ってたら何かテーマを決めて旅するっていうのもできたかも ーなんて思ったりもするけどね。」という話だ。 同時に、それを話しているトキのものすごく爽やかな笑顔!!!!! とにかく、旅ってものすげー楽しそう!!!!!というワクワクと、 やってやろうと思って動けば、無謀っぽいことでもできるんじゃん!って勇気も湧いた。 何よりこんなコト言えるようなヒトになりたいなとは思った。 世界への旅、面白そう!
 でも、まずは日本を周って体感してからだろうな。 長野からの帰り道、腹の中ではほぼ決まっていた。
『資金を貯め・大学を一年休学して、日本を自転車で周る!』 日本はどんな国なんだろうか? その一年半後、日本を確かめる旅が始まった。

―おいおい、日本って思った以上に広いじゃんかあああ―

 「狭いって言ってたヤツ出てこいや!!」最初はそんな気分でもあった。 (あ、もしかしたら世界はもっと広いのか??だとしたらどんだけだよー。。) 毎日が、生活の新鮮さとちょっとの気だるさと、湧いてくる不安とワクワク感がいっぱいになる旅。 圧倒的に疲れ・苦しいことの方が多いものの、なんでもないご飯が美味しい! 自然も人も色んなものが楽しい!そんな感覚的な旅をしていく中でも、 俺が話に聞き想像していたよりも度々”日本は広い、というか深い”と感じることは多かった。 どんな山からでも海まで100キロちょいで出ることができる中に、 ものすごい山や森、川、町、人が存在する、変化に富んだ国だった。 そこに当たり前のように存在する四季。住む人・顔・声・関わり。町と町とを繋ぐなんでもない道。 どんな素敵な建造物のある観光地よりも、本当になんでもない道の風景やニオイが ずっと印象に残っていたりもする。そんな道で出会った人と交わした一言を覚えていたりする。
 とにかく、地図の上や情報からでは見えないものは、ものすごくたくさんある。 そうしてできていく”自分の中での距離感・ものさし”っていうのが大切なんじゃないだろうか。 そんな思いは強くなった。 同時に自分が楽しいっていう旅って、一番のところはこーいうことなんだなって認識できた。 このなんでもない偶発性と、未知への道の繋がり。その先にある町と町へと繋がっていくような 点と点が線になっていくような感覚。それを感じられる旅。 この流れで、ぼんやりと世界も出てみなくては、と考えていた。

―世界のことがワカラナイ―

 社会科教師志望としての教育実習の場では、授業内で旅・日本の広さまで少しでも 伝えられたら~と思って臨んだ。一応の実感・走った感覚がある者として。 そういう意味で日本の中の日本はある程度見てきたし、色んなコトを感じてきたつもりだった。 日本もすごく広いんだってコトを授業内に込めることはできたとは思う。 でも、世界の中の日本・世界をとおした日本がワカラナイ。もちろん、 今はインターネットで情報なんていくらでも知れるし、映像や写真なんかもいくらでも、ある。 世界のニュースも見れるし、世界と瞬時に繋がることだってできる。 でも自分の感覚の中には世界がないもんだから、なんとなくだましだましでやった 授業がものすごく気持ち悪かった。 何より、世界を見ずして日本も広いんだって言ってたら、小さい頃からの疑問も解消していないし、 むしろ俺がその逆バージョンになっているだけじゃあないだろうか?
やっぱり、世界にも出てみなきゃダメだ。 実習に最後にそう思ったから‥「いい先生になってね!!」という生徒のみんなの コメントを有難くいただきつつ、 「当面の夢は教師よりも、自転車世界一周だぜ、絶対に達成してやるからね! お前らも夢っつーかやりたいことや目標できたら思いっきりやったれや!」という趣旨の約束だけ 勝手に残して実習を終えた。(生徒が覚えてるとは思わんけど、勝手に約束してきたつもり)

―初の海外旅行―

 その夏、運よく海外旅行に行くチャンスができたので、大学の友人たちと一緒に タイ、そして流れでミャンマーへ! 初の国境越え・地図にもほとんど載っていないような町でのコトバが通じないイライラ・ そんな中での出会い・レンタバイクで勝手に遠出!!・深夜バスでの恐怖? 海外旅行やプチ旅でも世界は見れる…旅の仕方一つでも、変えられるのかもしれない。
 でも、深夜バスですっ飛ばしてしまった未知の道、その間に広がっていた世界‥。 あれが俺が感じたかった世界ではなかったのだろうか? そんな旅を海外でもやってみたい。そうして自分の中の距離感やものさしを作っていく。 ミャンマーでは移動制限があり、進めなかったあの道の先はどこへ繋がっているのだろう? という思いも消すことができなかった。 やっぱり大学卒業後、いつか自転車で世界に行くんだ!!

―「いつ実現するの??」―

 卒業後まずは目標資金を決め、4~5年ぐらい貯めればいけるだろうと考え、 それを目標に掲げてイロイロと掛け持ちしつつ働き続けた。 正直フラフラで迷惑かけてるトキも多かったけど、理解して応援してくれる方も多く、 周囲の支援もあり、目標よりは遅いペースではあったけども順調ではあったと思う。 何より周囲に、それぞれが目指すものを持ちながらも愉しく進んでいく人たちが 多かったから、そんな姿に憧れてきたのもあると思う。

 そんな折、東北で大きな地震が起きたりと大きな変化も起こったりした。 『相変わらず同じように働いて、こんなことをしていていいのだろか?????』 というのと、それでも曲げたくないというのに葛藤があったりもした。 『もう諦めるか、延期しても‥』って思いかける度に、あのときの自分が出てくる。 「日本だけ周って日本も広いんだ、というのと、世界だけ見て日本が狭いというのと 何が違うんだ?あのときの疑問を解決していなくて、それで本当にいいのか???」 天秤にかけるようなことではない次元かもしれない。 でもどうしても諦めきれないなら、やっぱり行くしかない。 いつの間にか、これに賭けてる思いはそういうところまで来てしまっていたということだった。
 それに、この先教師になるにせよ、親になるにせよ。 子どもや周りに夢だなんだを話す立場になるんなら、大人になるんなら、 せめてやれるだけの挑戦をしてからにしよう。 その先、日本に戻ってからの人生だって常に夢を持ち続けてやろうと思うんだ。
 そんなタイミングで「どうしても旅に出る」という話を、一番近くで 支えてくれてた彼女に相談した結果、「先に結婚してから旅に出る」という 傍から見れば驚かれる(呆れられる)ようなあまり一般的ではない結論ではあるけど、やってみようということに決めた。最長で三年半という時間をもらって。 可能な限りのサポートと、どこかで合流して新婚旅行にしよう、と。 そこまで信頼してくれて、本当にありがたい限り。感謝してもし尽くせないくらい‥!!
(「旅に出る前に結婚して式まで挙げて、単独世界一周とかバカなの??」と聞かれる。 そう、いい年して本当にバカだと思われても仕方ない。帰ってきてから 色んな面で不利になるし、責任だってあるしね。)

  こうやっていろいろありながらも、世界への、第二のスタートラインまで漕ぎつけてきた。 最近、うちの年代からその下くらいで、どんな人生進むか悩む時期だったり するのかなあなんてことを考えたりもする。 そんな中で選んだ道はずいぶんと特異でバカなものであるけども、 最初は漠然とでも思い描いていたものの道中に今、立っているというのは 確かな自分の意思なんだと思う。

ではいっちょ、世界の広さも確かめに行ってくる!!

プロフィール

名前??  森林悠生 
ニックネーム??  しんりん・じゃんぐる・メル 
生年?? 1985年・丑年
生息地??  海はダメ
尊敬するひと?? 炎のストッパー
特技?? (意図せず)すべった話で場の空気を凍らせること。
気になってること?? 広島カープがいつまでたってもBクラスでいること。旅中に限って優勝したら…orz
好きなことば?? 弱気は最大の敵 Stay young and invincible!!
   
   
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